2014年の秋、Lukas Zelmはミュンヘンの写真学校「Fotoakademie Süd」を修了し、フリーランスとして活動を始めました。最初の仕事は、知人の結婚式の記録撮影でした。報酬はなく、ただ「練習させてもらう」という約束でした。その日、式場の窓から差し込む午後三時の光が新婦のドレスに落ちた瞬間を撮った一枚が、今でもポートフォリオの最初のページに置いてあります。あの光は、どんな機材でも再現できない。だから毎回、光を待つことから始めます。
転機は2018年の春でした。ミュンヘン郊外のスタジオを借りて個展を開いたとき、建築家のMaria Hofbauerが訪ねてきました。「あなたの写真には、余白がある」と彼女は言いました。その言葉がきっかけで、建築写真の仕事が増え始めました。Hofbauerの事務所が手がけたバイエルン州内の集合住宅プロジェクトを三件撮影し、その写真が建築専門誌「Bauform」に掲載されました。それ以来、建築とポートレートと結婚式という三本柱が、Zelm Pixdorfの仕事の軸になっています。
光と静寂が交わる場所で